オオタカ(大鷹、accipiter gentilis)は、タカ目タカ科に属する中型の種である。日本における鷹類の代表的な種である。古今、タカといえば、オオタカを指すことが多い。
雄の全長約50cm、雌の全長約60cm、翼開長約100-130cm。日本の亜種は白い眉斑と黒い眼帯が特徴である。北海道ではユーラシアの亜種が往来するので別種とされていたが、現在は本州の亜種と同じものとして扱われている。
北アフリカからユーラシア大陸、北アメリカ大陸にかけて分布する。日本列島では南西・南方諸島を除く全域に分布する。
留鳥として周年生息するオオタカもあるが、一部のオオタカは、越冬のため南下を行う場合もある(鷹の渡り)。
平地から山岳地帯にまで生息している。飛翔能力が高く、中小型の鳥類(ハト・カモ等)や小型哺乳類(ネズミ・ウサギ・オコジョ等)を空中あるいは地上で捕らえる里山の猛禽類。食物連鎖の頂点に位置するため、生態系の自然が健全でないと生息できない(ただし今日では人里に進出しているのが確認されている、後述)。飛ぶ速さは水平飛行時で時速80km、急降下時には時速130kmにも達する。
一度狙いをつけた獲物は執拗に追い続け、それゆえ狩りの時間は長くなることもある。一日に一度の狩りで食を満たすことができる。
1980年代までめったなことでは森から出てこなかったが、野鳥の保護により人を怖がらなくなり街中に進出している[1]。2009年には、東京近郊のダム湖ではオオタカが体格的に互角のカラスを狩っていると報道されている[1]。首都圏のオオタカについて、日本野鳥の会でも情報の収集を行っている[2]。
優れたハンターであることから、厳しい訓練を経た後、鷹狩りに使われた。鷹狩りは仁徳天皇の時代にはすでに行われており、江戸時代中期には盛んに行われた。現在、国内のオオタカの捕獲が禁止されているため、海外から輸入されるオオタカで伝統技術の承継が行われている。
日本国内では、生息地の大規模開発などによって数が激減し、1984年の調査で約400羽とされ、絶滅の恐れも指摘された。そのため、1993年に種の保存法が施行されると、オオタカは「希少野生動植物種」に指定され、保護対象となった。結果、数は急速に回復し、2006年にはレッドデータブックから外され、2008年の調査では関東地方とその周辺だけでも生息数は約5800羽が確認された[3]。
2017年8月には、「希少野生動植物」の解除が決定された。解除の施行は2017年9月となる。個体数の増加を理由とする指定解除は、ルリカケスについで2例目となる。なお、規制解除後も鳥獣保護法に基づき、学術研究などを除き、捕獲・流通・輸出入は規制される[4]。
オオタカ(大鷹、accipiter gentilis)は、タカ目タカ科に属する中型の種である。日本における鷹類の代表的な種である。古今、タカといえば、オオタカを指すことが多い。