チトセラン属 Sansevieria Thunb., non cons. はリュウゼツラン科の植物。多くは短く這う根茎から地上に葉だけを出す。観賞用や繊維用などの有用植物を含む。
多年生の草本[1]。茎は地下にある短い根茎の形を取り、あるいは匍匐茎を出す。ただし茎が立ち上がって低木状となる種(S. arborescens など)もある。地上に出る葉はロゼット状に出て、固い繊維質か多肉質をしており、扁平な剣状か、あるいは棒状になる。
花は単独に立ち上がる花茎の上に総状花序をなすか穂状、あるいは束生に生じる。花は円筒形で、基部が膨らんでいる。花被片も雄しべも6個。果実は液果で種子が1-3個含まれる。
学名はイタリアのサンセヴィエロ(Sanseviwro)の王子デ・サングロ(R. de Sangro 1710-71)にちなむ。和名は千歳蘭の意で葉の寿命が長いことに依る[2]。園芸方面では学名カナ読みでサンセベリア等の名もよく用いられる。別名としてトラノオ、あるいはトラノオランもある。ちなみに中国名は虎尾蘭である。
アフリカの熱帯から亜熱帯域、マダガスカル、それに南インドに分布し、60-70種がある[3]。
以下に代表的なものを挙げておく[4]。
観賞用、及び繊維植物として利用される。
観葉植物として利用される種が幾つかある。乾燥に強くて潅水の手間がかからないので室内栽培に向いているが、熱帯域では庭植えされることもある。また切り葉にも利用される[5]。
特にアツバチトセラン S. trifasciata は観賞用によく栽培され、普通にチトセラン、あるいはサンセベリアといえばこの種を指す。園芸品種も多数あり、むしろ黄色の覆輪を持つ品種であるフクリンチトセラン(ローレンチー S. trifasciata 'Laurentii')の方が普通に栽培されている[6]。サンセベリアと言えばむしろこの品種のこと、との声もある[7]。
また葉から繊維を取って利用される種もある。上記アツバチトセランも利用される[8]が、繊維用としてはヒロハチトセラン S. hyacinthoides やオオヒロハチトセラン S. grandis、それに S. zeylandica がよく用いられ、アフリカやアジアの一部ではこれを用いて弓の弦、釣り糸、ロープ、マット、帆、ハンモックなどを作る[9]。
チトセラン属 Sansevieria Thunb., non cons. はリュウゼツラン科の植物。多くは短く這う根茎から地上に葉だけを出す。観賞用や繊維用などの有用植物を含む。