アメリカアリゲーター(Alligator mississippiensis)はアリゲーター属に分類されるワニの一種。別名ミシシッピワニ。
アメリカ合衆国(アーカンソー州南部、アラバマ州、サウスカロライナ州、ジョージア州、テキサス州、ノースカロライナ州、フロリダ州、ミシシッピ州、ルイジアナ州)[2][3][4][5][6]固有種
全長は雄で通常400cm程、最大で580cmの記録がある[6]。口吻はやや長く、吻端は扁平かつ幅広く丸みを帯びる。口吻には筋状の盛り上がり(キール)は発達しない。頚部に並ぶ鱗の列(頸鱗板)は4枚。体色は緑がかった黒褐色[2]。
前肢には指の半分くらいまで、後肢で趾の先まで水かきがある[2]。
幼体は背面に黄色い横縞が入る[2]。
沼沢地などに生息する[6]。冬季に気温が低下する地域の個体群は冬眠する[3]。
食性は動物食で、主に魚類を食べるが、カメ、鳥類、小型哺乳類、昆虫、甲殻類、貝類なども食べる[2][5]。大型個体ではシカやイノシシ、クマやピューマを襲った記録もある。
繁殖形態は卵生。6-7月に土、枯草、落ち葉などを集めて塚状の巣を作り、20-60個の卵を産む[2][3]。卵は50-60日で孵化する[2]。性染色体を持たず、発生時の温度により雌雄が決定(温度依存性決定)し、32℃以上はオス、30℃以下の場合はメスになる[5]。メスは卵や幼体を翌年の春(1年以上保護することもあり)まで保護する[2][3][3][6]。生後8年で性成熟する[4]。
性質は基本的に温和でおとなしい[7]が、ペットを捕食したり、まれに人間を襲うこともある[3][4][6]。
開発による生息地の破壊、水質汚染、皮目的の乱獲などにより生息数は激減した[4][6]。アメリカ合衆国では1973年に法的に保護の対象とされている[6]。生息数の調査や監視活動、狩猟や皮革流通の許可制などの保護対策が進められた[6]。皮革の需要低下などもあり、生息数は回復している[6]。
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