ネギ(葱、Welsh onion、学名 Allium fistulosum)は、原産地を中国西部・中央アジアとする植物である。東アジアでは食用に栽培されている。クロンキスト体系ではユリ科とされていたが、APG植物分類体系ではヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属に分類される。
古名では、「冬葱」・「比止毛之」・「祢木」とされ、「き(紀)」ともいう。別名の「ひともじぐさ」は「き」の一文字で表されるからとも、枝分れした形が「人」の字に似ているからとも言う。ネギの花は坊主頭や擬宝珠を連想させるため「葱坊主」(ねぎぼうず)や「擬宝珠」(ぎぼし)と呼ばれる。「擬宝珠」は別科別属の植物「ギボウシ(ギボシ)」も表す。萌葱色は葱の若芽のような黄色を帯びた緑色のことである。
英語では Welsh onion と呼ばれることがあるが、本種はウェールズ原産ではなく、ウェールズ料理で特に一般的に使われることもない。ウェールズで一般的な類似のネギ属の野菜で、国章にもなっているのは、リーキ A. ampeloprasum である。この場合の"Welsh"はドイツ語の"welsch"に由来し「外国の」という意味である[3]。
日本では古くから味噌汁、冷奴、蕎麦、うどんなどの薬味として用いられる他、鍋料理に欠かせない食材のひとつ。硫化アリルを成分とする特有の辛味と匂いを持つ。匂いが強いことから「葷」の一つ「禁葷食」ともされる。料理の脇役として扱われることが一般的だが、葉ネギはねぎ焼き、根深ネギはスープなどで主食材としても扱われる。ネギの茎は下にある根から上1cmまでで、そこから上全部は葉になる。よって食材に用いられる白い部分も青い部分も全て葉の部分である。
東日本では単に「ネギ」と言うと、成長とともに土を盛上げて陽に当てないようにして作った風味が強く太い根深ネギ(長葱・白ネギ)を差し、他は「ワケギ」「アサツキ」「万能ネギ」「九条ネギ」などの固有名で呼んで区別をする。西日本では陽に当てて作った細い葉ネギを単に「ネギ」と言い、根深ネギは「白ネギ」、「ネブカ」などと呼ぶ場合もある。
日本における出荷量は、農林水産省統計データ(2010年)によると関東地方を中心とする東日本がほぼ半数を占めている。
日本の単位面積当たりの生産高は世界一で生産高は世界2位である。人口が多く広大な土地を持つ中国における生産高は世界1位である。
病虫害の予防効果を狙って、しばしばユウガオ、トマト、ナス、ホウレンソウなどの畑に混植される(→ コンパニオンプランツ)。
他の野菜と比較して塩害に強いとされており、2002年に台風21号が関東地方に上陸後、九十九里浜周辺の畑では塩害によって野菜や街路樹が枯れたのに対し、ネギだけは枯れずに残っていた逸話がある[4]。JA山武郡市ではこれをヒントに海水をかけて栽培した「九十九里 海っ子ねぎ」を販売している[5]。
仙台・福島県・栃木などでは「曲がりねぎ」という栽培法があり、土を盛上げながらある程度育てたら、新たに土を盛ったり一度抜いたりして横向きに植え直す事により、植物の光に向かって伸びる性質によってネギが曲る。これは、土の層が薄かったり地下水位が高い土地でネギをつくる方法だと言われる。このように栽培は手間がかかるため、作付面積が少ない。
サラダ・冷奴・納豆や蕎麦など麺類を食べる際に生のまま食用とする場合がある。また、焼いて(ネギマ等)食べる事もあるが、味噌汁やネギマ汁などの鍋料理に入れたり、炒め物に使用したり、カツ丼(タマネギの場合も)や鴨南蛮などで他の食材の具として利用するのが一般的である。
味噌を使用し「ねぎみそ」を作り、各種料理やツマミとされることもある。ねぎを食用油で揚げ、エキスを抽出したねぎ油も市販されている。
ネギは食用とすることにより人体に影響がある(薬効がある)植物とされている。白い部分には、ビタミンCと共に抗菌・抗カビ作用がある硫化アリル・発汗作用などで体を温める効果があるアリシンが多く含まれていることから「風邪に良い」とされることもある。また、アリチアミンはビタミンB1の吸収を助ける。これらとは関係の無い民間療法としても利用される。
チンパンジーやサルに対して生の長ネギを与えることも多い。一方、ペットに与えることによってタマネギ中毒となる可能性も指摘されている。
ネギの白い部分は生薬として利用されてきた。
ネギ(葱、Welsh onion、学名 Allium fistulosum)は、原産地を中国西部・中央アジアとする植物である。東アジアでは食用に栽培されている。クロンキスト体系ではユリ科とされていたが、APG植物分類体系ではヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属に分類される。
古名では、「冬葱」・「比止毛之」・「祢木」とされ、「き(紀)」ともいう。別名の「ひともじぐさ」は「き」の一文字で表されるからとも、枝分れした形が「人」の字に似ているからとも言う。ネギの花は坊主頭や擬宝珠を連想させるため「葱坊主」(ねぎぼうず)や「擬宝珠」(ぎぼし)と呼ばれる。「擬宝珠」は別科別属の植物「ギボウシ(ギボシ)」も表す。萌葱色は葱の若芽のような黄色を帯びた緑色のことである。
英語では Welsh onion と呼ばれることがあるが、本種はウェールズ原産ではなく、ウェールズ料理で特に一般的に使われることもない。ウェールズで一般的な類似のネギ属の野菜で、国章にもなっているのは、リーキ A. ampeloprasum である。この場合の"Welsh"はドイツ語の"welsch"に由来し「外国の」という意味である。
日本では古くから味噌汁、冷奴、蕎麦、うどんなどの薬味として用いられる他、鍋料理に欠かせない食材のひとつ。硫化アリルを成分とする特有の辛味と匂いを持つ。匂いが強いことから「葷」の一つ「禁葷食」ともされる。料理の脇役として扱われることが一般的だが、葉ネギはねぎ焼き、根深ネギはスープなどで主食材としても扱われる。ネギの茎は下にある根から上1cmまでで、そこから上全部は葉になる。よって食材に用いられる白い部分も青い部分も全て葉の部分である。
東日本では単に「ネギ」と言うと、成長とともに土を盛上げて陽に当てないようにして作った風味が強く太い根深ネギ(長葱・白ネギ)を差し、他は「ワケギ」「アサツキ」「万能ネギ」「九条ネギ」などの固有名で呼んで区別をする。西日本では陽に当てて作った細い葉ネギを単に「ネギ」と言い、根深ネギは「白ネギ」、「ネブカ」などと呼ぶ場合もある。