メギ(目木、学名:Berberis thunbergii DC.[1])は、メギ科メギ属に分類される落葉低木の1種[2]。別名が、「コトリトマラズ」[2][3]と「ヨロイドオシ」[4]。和名は茎を煎じて洗眼薬に利用されていたことに由来する[2][3][4]。
樹高2 mほどまで成長し、よく枝分かれする[2]。樹形は株立ち[3]。樹皮は灰白色-白色で、縦に不規則な割れ目がある[3]。枝は褐色で[2]、顕著な縦の溝と稜がある[3]。枝の節や葉の付け根には長さ5-12 mmの棘があり[2]、徒長枝の葉の付け根には3本に分かれた棘がある[5]。葉は単葉で[3]、新しく伸びた長枝には互生し、2年枝の途中から出た短枝には束生する[2][5]。葉身は長さ1-5 cm、幅0.5-1.5 cmの卵倒形-狭卵倒形で、先端は鈍頭または円頭、基部は次第に細くなって短い葉柄になり[2][3]、最大幅は先寄り[5]。葉の縁は全縁で、表面は薄い紙質で無毛、裏面は色々を帯び無毛[3]、4-5月に若葉を出す[2]。4-5月に単枝から小形の総状花序または散形花序を出し、直径約6 mmの淡黄色-緑黄色の花を2-4個下向きに付ける[2]。花弁の長さは約2 mmで6個[2]。萼片は6個あり、長楕円形で花弁より大きく、淡緑色にわずかに紅色を帯びる[2]。雄蕊は6個で花柱は太く[3]、触ると葯が急に内側に曲がる[2][4]。雌蕊は1個[2]。果実は液果で、長さ7-10 mmの楕円形[2]、10-11月に鮮やかな赤色に熟す[3]。アルカロイドの1種のベルベリンを含む[6][注釈 1]。
日本では、本州の東北地方南部[注釈 2][7]から、四国と九州にかけての温帯[5]地域に分布する[2][3]。
山地から丘陵にかけての林縁[3]や原野に生育し、蛇紋岩の地でもよく生育する[2]。生垣としての庭木や公園樹として利用されている[3][5]。
秋田県では分布域が限定され、個体数が希少であることからレッドリストの絶滅危惧種IB類(EN)の指定を受けていて、森林伐採や道路工事による個体数の減少が危惧されている[7]。新潟県[8]と鹿児島県[9]では、絶滅危惧II類(VU)の指定を受けている。大阪府では準絶滅危惧の指定を受けている[10]。国レベルではレッドリストの指定を受けていない[7]。
葉が赤紫色の栽培品種(アカバメギ)があり、黄金葉や歩斑入りの栽培品種もある[5]。