テリハボク(照葉木、Calophyllum inophyllum)はテリハボク科の常緑高木。方言名はヤラボなど。太平洋諸島、オーストラリア、東南アジア、インド、マダガスカルなどの海岸近くに分布し、また世界の熱帯・亜熱帯で広く栽培される。日本では南西諸島と小笠原諸島に自生するが、これらは移入によるとの考えもある。
成長は遅いが、高さは10-20メートルほどになる。葉は対生し、楕円形、長さ10-15cmほどで光沢があり(名の由来)、裏面は葉脈が目立つ。花は径2-3センチで10個前後が総状花序につく。両性花で子房上位、花弁は白く4個、雄蕊は黄色く多数、芳香がある。果実は径4センチ程の球形の核果で、赤褐色に熟し、大きい種子を1個含む。
沖縄では見かけのよく似たフクギとともに防風林に植えられる。観賞用にも栽培されるほか、材は硬く強いので家屋、舟や道具の材料に用いられる。小笠原諸島では「タマナ」の名称で親しまれ、材を用いてカノー(アウトリガーカヌー)を造った。
種子からは油が採れ、食用にはならないが外用薬や化粧品原料に使われ、また灯火用にもされ、現在はバイオディーゼル燃料に適するとして注目される。
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