ミゾゴイ(溝五位、Gorsachius goisagi)は、ペリカン目サギ科ミゾゴイ属に分類される鳥類。別名をヤマイボという。
主に日本で繁殖し(台湾でも繁殖した例があり)、冬季になるとフィリピンへ南下し越冬するが台湾や日本(九州、南西諸島)でも少数個体が越冬する[3][4][5]
全長49センチメートル[2][3][4][5][6]。翼長25 - 29センチメートル[3]。翼開張80 - 90センチメートル[4]。体重490グラム[3]。頭部の羽衣は濃赤褐色や黒褐色[3][5]。上面の羽衣は暗赤褐色[2]。体下面の羽衣は淡褐色[3]。喉には細く黒い縦縞が入り、下面中央部には赤褐色の縦縞が入る[3]。風切羽は暗褐色で、先端が赤褐色[6]。
上嘴は黒や黒褐色、下嘴は黄色[5][6]。後肢は黒緑色[5][6]。繁殖期の個体は眼先の裸出部が青くなる[6]。
平地から低山地にかけての森林に生息する[2][4]。暗い森林を好む[5]。単独もしくはペアで生活する[5]。渡来直後のオスは夕方から夜間にかけて鳴くため夜行性と考えられていたものの、繁殖期の給餌時間や飼育下での非繁殖期の活動時間の観察例から本種を昼行性とする説もある[7]。危険を感じると頸部を伸ばして上を見上げて外敵に向かって下面を向け、木の枝に擬態する[3][5]。
食性は動物食で、魚類、昆虫、サワガニなどの甲殻類、ミミズなどを食べる[2][3][4][5]。森林内の河川、湿原、地表などを徘徊し獲物を捕食する[5]。
繁殖形態は卵生。太い樹上に木の枝を組み合わせた巣を作り、5 - 7月に3 - 4個の卵を産む[4]。抱卵期間は20 - 27日[3]。雛は34 - 37日で巣立つ[3][4]。
鳴き声からウシドリ、ウメキドリ、ヤマイボなどの方言名がある[3]。
森林伐採による生息地の破壊などにより、生息数が減少していると考えられている[5][6]。