ファラノーク属(Eupleres)は、哺乳綱食肉目マダガスカルマングース科に分類される属。別名コバマングース属。
体長48 - 56センチメートル[2][3]。尾長22-26cm[3]。体重2-4.5キログラム[3]。鼻面は細長く尖る[2][1][3]。全身は柔らかい体毛で密に被われる[1]。尾の体毛はやや長く、先端では粗く房状[1][3]。腹面の毛衣は白や灰白色[2][3]。眼上部と吻端は白い。[1]。
歯は小型かつ円錐状で[3]、別名(コバ=小歯)の由来になっている[1]。前肢よりも後肢の方が長い[1]。第1指および第1趾も含めた指趾は5本が揃って並ぶ[1]。属名Eupleresは「完全に揃った」の意で指趾に由来する[1]。爪は長く湾曲し、引っ込めることができない[1][3]。肛門周辺(肛門腺)や生殖器周辺(会陰腺)に臭腺がない[2][1]。
出産直後の幼獣は体長15センチメートル[1]。体重0.2キログラム[1]。全身が体毛で被われ、眼が開いている[3]。乳首の数は2[1]。
以前はファラノーク(コバマングース)E. goudotiiのみで本属を構成し、E. g. goudotiiとE. g. majorの2亜種に分類されていた[1]。
低地にある湿潤林に生息するが[2][1]、やや乾燥した落葉樹林で発見された例もある[3]。地表棲だが、樹上に登ることもある[1]。薄暮性ないし夜行性で、昼間は岩の隙間などで休む[1][3]。単独もしくは小規模な群れを形成し生活する[1][3]。指趾を接地せず、跳躍するように歩行する[1][3]。秋季(4-5月)に0.8キログラムの皮下脂肪を尾の基部に貯蔵し、冬季(6-7月)は休眠すると考えられているが冬季でも活動する個体が発見された例もある[2][1][3]。
主に昆虫を食べるがカエル、鳥類やその卵、陸棲の貝類、ミミズなども食べ、さらに小型哺乳類、果実なども食べると考えられている。[1][3]吻端や爪を使って地面を掘り起こし、獲物を捕食する[1][3]。
繁殖様式は胎生。繁殖期にはペアを形成するが、短期間で解消する[2][3]。7-8月に交尾を行う[1][3]。妊娠期間は3か月[1]。11月に1回に1-2頭の幼獣を産む[1][3]。授乳期間は9週間[2][3]。幼獣は生後2日で母親の後を移動するようになり、生後60日で固形物も食べることができるようになる[2][1][3]。
開発による生息地の破壊、食用の乱獲[1]、人為的に移入された同科他種との競合などにより生息数は減少している。[3]
ファラノーク属(Eupleres)は、哺乳綱食肉目マダガスカルマングース科に分類される属。別名コバマングース属。