ジャコウネズミ(麝香鼠、学名:Suncus murinus)は、哺乳綱・トガリネズミ目・トガリネズミ科・ジャコウネズミ属に分類される哺乳類。英文学の翻訳で齧歯目のマスクラットをジャコウネズミと翻訳していることがままあるため、注意を要する。
東南アジア原産だが、アフリカ東部やミクロネシア等にも人為的に移入している。日本では長崎県、鹿児島県及び南西諸島に分布するが、長崎県及び鹿児島県の個体群は帰化種、南西諸島の個体群は自然分布とされているがはっきりとしていない[1][2]。
体長12-16cm。尾長6-8cm。体重は雄が45-80g、雌が30-50g。メスよりもオスの方が大型になる。腹側や体側に匂いを出す分泌腺(ジャコウ腺)を持つことからこう呼ばれる。吻端は尖る。尾は太短く、まだらに毛が生え、可動域は狭い。
食性は肉食性の強い雑食性で昆虫類、節足動物、ミミズ等を食べるが植物質を摂取することもある。よく動くが、その動作は機敏とは言い難い。繁殖形態は胎生で、1回に3-6匹の幼体を出産する。子育ての時には幼体は別の幼体や親の尾の基部を咥え、数珠繋ぎになって移動する(キャラバン行動)。
日本産のものを亜種リュウキュウジャコウネズミ(S. m. temmincki)とする説がある[3][4]。
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))