Betula maximowiczii Rupr.[1]
和名 ウダイカンバウダイカンバ(学名 : Betula maximowicziana)は、カバノキ科カバノキ属の木。マカバ(真樺)、マカンバとも呼ばれる。
日本の中部地方以北から北海道、千島列島にかけて生育する落葉広葉樹。葉は広卵形。樹皮は、灰褐色から黄褐色で重厚感があり、横長の皮目があることからアイヌ語で「本当の樺の皮が採れる木」という意味でシタッニとも呼ばれていた。また、樹皮は少々濡れても燃えることから松明にも用いられ、鵜飼いの松明(鵜松明)から転じてウダイという名が付けられた。高木性で時には高さ30m、根本径が1m超える材も入手可能であること、素材としてねじれが少なく強度も高く加工しやすいことなどから、広く住宅建材、家具、楽器などの原材料に利用。変わったところではピアノのハンマー、第二次世界大戦末期には航空機のプロペラにも採用された[2]。
ウダイカンバは、材質的に心材(年輪の中心付近)が淡い赤みを帯びた褐色であり、見栄え次第では高額で取引されるなど珍重されてきた。その色合いから家具業界では敢えてサクラと呼ぶこともある[3]。一方、ウダイカンバの中でも褐色の心材の割合が低く白色気味の辺材(樹皮に近い部分)が多い木材は、そのコントラストから鳥類のメジロの名をかけてメジロカンバもしくはメジロカバと呼び分けられ、木目で評価される突板などに使われていたが、一般的なウダイカンバと比較すると安い価格で流通するケースも見られた。しかし21世紀に入り、天然林の伐採量の減少から流通量も減少したこと、風合いも評価されるようになったことから高級材として扱われている[4][出典無効]。