アマミコクワガタ(奄美小鍬形 Dorcus amamianus)は、コウチュウ目・クワガタムシ科・オオクワガタ属・コクワガタ亜属の1種で、4亜種に分類されている。
日本のコクワガタの仲間では、最も小さい「種」である。リュウキュウコクワガタと呼ばれることもある。
コクワガタという名前がつけられているが、コクワガタとは異なる点が多く、ミトコンドリアDNAからもコクワガタの近縁ではないことが明らかになっている[要出典]。 コクワガタよりも、ヒメオオクワガタの方に似ている点が多く、大アゴは短く、強く湾曲している。足や跗節は長めであり、洞穴よりも樹上に適しているといえる。 体色は黒色から暗い赤褐色である。メスの上翅には縦のスジが現れる。
ミトコンドリアDNAから、最も南に生息する亜種のヤエヤマコクワガタが最も古くに分化し、北に向かって、順次その他の亜種が分化したことが明らかになっている。 八重山諸島(南琉球)に生息する動物は、沖縄諸島(中琉球)よりも台湾に類似している傾向があるが、台湾などから近縁種が見つかっていないことから、南西諸島の残存種とも考えられている。
広葉樹の森林に生息し、本土のコクワガタのように生息数は多くない。
成虫は活動期が5月下旬から10月であり、ピークは6月から8月である。 広葉樹の樹液などを餌にしていて、樹上で活動していることが多い。 メスは沢沿いなどにある広葉樹の朽木に産卵する。 成虫での寿命は6ヵ月 - 2年である。
産卵から約1ヵ月ほどで孵化した幼虫は、やや湿度の高い、軟らかい朽木の中で生活し、その朽木を食べて育つ。幼虫期間は約1年である。 終齢となった幼虫は、その年の秋か、翌年の春に、蛹室を作り始めて、約1ヵ月かけて蛹となり、蛹になってから約1ヵ月ほどすると、羽化し、成虫となる。 秋に羽化した成虫は、越冬して翌年の春に活動を開始し、春に羽化した成虫は約1ヵ月ほど経ってから蛹室を出て活動を開始する。