アカコッコ(島赤腹[1]、Turdus celaenops)は、スズメ目ツグミ科ツグミ属に分類される鳥類。
漢字表記の島は「特定の地域」を指す[1]。英名は伊豆諸島に分布することに由来する[1]。
日本(伊豆諸島、トカラ列島)固有種[1][2][3][4][5][6][7][8]。冬季に大島や伊豆半島へ北上する個体もいる[4][8]。
全長23cm[1][3][4][5][7]。眼の周囲は黄色い[4][5][7]。
オスは頭部や喉が黒い羽毛で被われる[3][4]。メスは頭部が褐色の羽毛で被われる個体が多く、喉は白や淡褐色で黒や褐色の縦縞が入る[2][3][7]。
スダジイやタブノキからなる常緑広葉樹林、低木林、ササからなる藪地、農耕地などに生息する[4][5]。
食性は雑食で、昆虫、ミミズ、果実などを食べる[4]。地表で動物質を、樹上で果実を食べる。
繁殖形態は卵生。4 - 6月に低木の樹上や樹洞、断崖などに植物の根や枯れ草などでお椀状の巣を作り、1回に3 - 4個の卵を産む[4][5]。
開発による生息地の破壊、人為的に移入されたニホンイタチによる捕食などにより生息数は減少している[3][4]。また三宅島では雄山の噴火により生息数が減少している[4]。屋久島にも分布していたが、近年の確認例がないため絶滅したと考えられている[3][4][5]。日本では1975年に国の天然記念物に指定されている[4]。三宅村では村立の自然観察施設に日本野鳥の会のレンジャーを常駐させる啓蒙活動が進められている[3]。
日本野鳥の会が行った2016年の調査では、三宅島で約7800羽となっていた。これは、2009年の調査での推定数より、1.8倍ほど多い数である[10]。
絶滅危惧IB類 (EN)(環境省レッドリスト)