ヒメビシ(姫菱 Trapa incisa)は、ヒシ科の水草。
日本、朝鮮半島、台湾、中国などに生育している[1]。日本では各地で個体群が消滅し、絶滅危惧種に指定されている。
一年草[2]。葉は菱形で、粗い鋸歯がある。葉の長さは1.5-3.5cm[2]。茎の先端から葉を放射状に叢生し[1]、水面を覆う。葉柄の中央には空気を含んだ浮き袋状の構造を形成する[1]。
花期は7-10月、白または淡い紅色の花弁をもち、直径は6-8mm[1]。果実は石果で長さ約20mm[2]、4本のとげをもつ。
近縁種としてヒシ、オニビシなどがある。ヒメビシとオニビシの果実には4本のとげがあるが、ヒシの果実にあるとげは2本である。またオニビシに比べ、ヒメビシの方が全体的に小型になる。
ヒメビシの果実にある胚乳にはでんぷんが貯蔵されており、食用になる。