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鰓脚綱(さいきゃくこう)あるいはミジンコ綱とは、甲殻類を大きく分けた群のうちの一つで、カブトエビ、ミジンコなどを含む。甲殻類の中では原始的なものと見なされている。
鰓脚綱は以下のような特徴を持つ。
このような形質から、ここに含まれる動物は、遊泳を中心とする運動を行い、歩くような動きはしない。多くは第二触角を大きくかいて泳ぐか、胸脚を煽って泳ぐ。餌は、たいていは水中の微粒子、微細な植物プランクトンやいわゆるデトリタスであり、胸脚を煽る運動の中で、水中の微粒子を口元に運び込んで食べる。
また、耐久卵を生むことのできるものが多い。生活環では、耐久卵で休眠する時期と休眠せずに繁殖する時期が交互に出るものもある。また、その際に単為生殖を行う時期があるものもある。
一般の甲殻類の通りノープリウス幼生の姿で孵化し、次第に成体の形となる、またはミジンコのように直接に成体をそのまま小さくしたような幼体の形で出るものもある。ノープリウスに特徴的な、遊泳用の第二触角を、成体でも使うものが多い。また、成体になってもノープリウス眼を持っている。
大部分が陸水に生息する。ミジンコ類に少数の海産種があるが、それ以外は淡水性で、アルテミアのような内陸の塩水湖に生息するものもある。ミジンコ類は大きな湖から水たまりに至る、さまざまな淡水に生息する種があるが、それ以外のものは、浅い水域、それも時折り干上がるようなところに生息するものが多い。一時的な水たまりに生息するものもかなりある。
鰓脚綱は、甲殻類の中では原始的なものと考えられている。最も原始的なものだとの説もあるが、分子系統学による知見はカシラエビ[1]に近縁、しかも原始的と考えられるこの2群はむしろ派生的だった。はっきりとこの類であると判断される化石は、古生代後期までさかのぼる。カンブリア紀の二枚貝型の甲殻類の多くがこの類に属すると考えられたこともある。
2018現在の分類は以下の通り[2]:
それ以前に長く流用した分類は以下の通り:
化石のみ知られる目は以下の通り: