ヨシキリ科(ヨシキリか、Acrocephalidae)は、鳥類スズメ目の科である。
ユーラシア、アフリカ、太平洋諸島、インド洋諸島、オーストラリア(1種のみ)に生息する。
「葦切」の名のとおり葦原などに住む種が多く、草むらにひそむ昆虫を捕食するが、森林生の種もいる。
系統樹の科間は Johansson et al. (2008)[1]; Irestedt et al. (2011)[2]; Alström et al. (2011)[3]、科内は Fregin et al. (2009)[4]より。Clade H は Johansson et al. による仮の系統名である。
Clade H ヨシキリ科Calamocichla
Acrocephalus sensu stricto
Calamodus
Notiocichla
その他のキイロムシクイ属
ヨシキリ科は Alström et al. (2006)[5]により新たに命名された科であり、センニュウ科・ミズベマネシツグミ科・テトラカヒヨドリ科と近縁である。伝統的にはムシクイ類に含められ、他のムシクイ類と共にヒタキ科ウグイス亜科、ウグイス科、ウグイス科ヨシキリ亜科などに分類されてきた。
ヨシキリ科には5つの属が含まれ、これらは全て単系統である。
かつてはヨシキリ科の属の多くは非単系統だったが、多系統だったウタイムシクイ属 Hippolais の一部を Iduna 属に分離し、さらに Iduna 属にキイロムシクイ属 Chloropeta(ただしハシボソキイロムシクイ Calamonastides を分離)とハシブトオオヨシキリ A. aedon を移すことで、それぞれの属は単系統となった。
ハシブトオオヨシキリは単型属 Phragamaticola とする説もある。ヨシキリ属は多様性が大きいため、Calamodus 属(#属と種のコヨシキリ~セスジコヨシキリ ?)と Notiocichla 属(コバネヨシキリ~ヌマヨシキリ ?)、さらに Calamocichla 属(ケープベルデアシナガヨシキリ~ロドリゲスヤブセンニュウ ?)を分割する説もある[4]。
古くはインド洋島嶼性のヤブセンニュウ属 Bebrornis が独立属となっていたが、ヨシキリ属へ統合された。
セッカ科 Cisticolidae のスナチムシクイ Scotocerca 1属1種がヨシキリ科の基底に位置するとする説もあったが[6]、けっきょく、ウグイス科に移された[5]。
国際鳥類学会議 (IOC)[7]より。和名は厚生労働省[8]などより。
5属55種。