カンムリウミスズメ(冠海雀[1]、Synthliboramphus wumizusume)は、チドリ目ウミスズメ科ウミスズメ属に分類される鳥類。
全長24-26センチメートル[4]。頭部から頸部の羽衣は黒、体上面の羽衣は青灰色、体下面の羽衣は白い[2][5]。
夏羽は頭頂の羽毛が3-5センチメートルまで伸長(冠羽)し[2][3][5][a 2]、和名の由来になっている[1]。また眼上部から後頭にかけての羽衣が白く、喉の羽衣は黒い[5]。冬羽には冠羽がない[3][5]。また眼上部から後頭にかけての羽衣が黒く、喉の羽衣は白い[3][5]。
繁殖形態は卵生。岩の隙間や割れ目、砂地や草原に空いた穴などに巣を作り、3-5月に1-2個の卵を産む[2][3][a 2]。雌雄交代で抱卵し[2]、抱卵期間は30日[a 2]。雛は孵化して1-2日で巣立つ[a 2]。
非繁殖期は主に沖合で生活する。
日本とその周辺にしか生息していない希少種で、絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
種小名wumizusumeはウミスズメの誤記[1]。
油による海洋汚染、漁業による混獲、繁殖地に投棄されたゴミによって増加したドブネズミやハシブトガラスなどの捕食により生息数は減少している[2][a 2]。日本では国の天然記念物に指定されている[a 2]。