ナガバモミジイチゴ(長葉紅葉苺 Rubus palmatus var. palmatus)とは、バラ科キイチゴ属に分類される植物の一種。名前は葉の形がモミジのように裂けることから。
根は地下で横に伸び、あちこちから茎を出す。茎は立ち上がるが先端では次第に横に伸び、枝を出して平面状に広がる。茎には棘が多い。葉は普通はカエデのように浅く裂けるが、全体に縦長な形になりやすい。ただし生育状態等で大きく変わり、裂けない葉を出す場合もある。花は4-5月、白い5弁の花を、単独で枝先につける。花は細い柄で下を向き、葉陰に咲く。初夏に実る果実はいわゆるキイチゴ状で黄色い。味は薄味ながらよい。
日当たりの良い林道脇・斜面等でよく見かけ、森林伐採後に集団をなすこともある。棘があるため、藪漕ぎには困るが、枝が一方に向かって広がり、絡み合わないのが救いである。近畿以西、九州までの西日本に分布し、朝鮮、中国からも知られる。変種のモミジイチゴは東日本に分布する地理変異である。葉がやや幅広いことで本種と区別されるが、葉の形はやはり変異が多く、確実な区別は難しい。