キーウィ(Kiwi)は、ニュージーランドに生息する飛べない鳥類である。キーウィー、キウィ、キウイとも表記する。
分類学上はキーウィ属で、1属でキーウィ科を作る単型。キーウィ科は伝統的に1科でキーウィ目を作ってきたが、ダチョウ目やモア目に含める説もある。
果物「キウイフルーツ」は、ニュージーランドからアメリカ合衆国へ輸出されるようになった際、ニュージーランドのシンボルであるキーウィに因んで1959年に命名された。(詳細は当該記事を参照のこと)
ニワトリくらいの大きさで、翼は近くから見ても外見上確認が難しいほどに退化しているため飛ぶことは出来ない。骨の構造上は翼(前肢)は存在しているが、成熟した個体の羽毛をめくってみても、その長さはせいぜい5cmほどである。翼が退化したかわりに、同程度の体格を持つ他の鳥類に比べてたくましい脚で速く走る。
ニュージーランド固有種で国鳥である。しばしばニュージランドやニュージランド人のシンボル、象徴とされる。
かつては1000万羽ほどいたが、今では3万羽ほどまで減少して危機的な状況だという。理由は人間が食用に捕えていたこと、人間が持ち込んだネコなどの哺乳類に適応出来ず雛を捕食されてしまったからだという。
日本で飼育する動物園は大阪の天王寺動物園のみである。
「キーウィー」と口笛のような声で鳴くため、ニュージーランドの先住民であるマオリ族からキーウィーと名付けられた。
夜行性で、視力が弱く、昼間は樹の洞などに隠れている。夕方以降、餌を求めて歩き回る。くちばしの尖端に鼻孔があり、またセンサーのようになっているヒゲを用いて、鋭敏な嗅覚によって餌を探す。地面にくちばしを差し込んで、地中にいるミミズや昆虫の幼虫などを探し、くちばしに餌が触れるとすかさず捕らえて持ち上げる。
メスは体重の1/4ほどの卵を産む。抱卵はオスがするが、卵が大きいため卵全体を暖めることができず、卵の上下で温度差が10℃近くになる。これらの理由は祖先が大型の鳥で、体だけが小型化したのだと考えられている。
天敵のいない環境に適応していることから、ネコやネズミ、オコジョなどの移入動物(人間が作為的に持ち込んだ動物)の影響で雛が食べられてしまい、個体数は減少している。人間を警戒しない。好奇心で人間の後をついていくこともある。
クレメンツ分類ではモア科とともにモア目に、シブリー‐アールキスト分類ではダチョウ科・レア科・ヒクイドリ科とともにダチョウ目に分類される。
ただし分子系統によると、ヒクイドリ科と近縁ではあるが、ダチョウ科との関係は否定されている[1]。モア科との関係はまだ不明な点が多い。
Clements鳥類分類キーウィ属には5種がおり、うち1種は2亜種に分かれる。より少ない種しか認めない説もある。
かつては南北両島に同一種 Apteryx australis が住むと思われており、ブラウンキーウィ (brown kiwi) やトコエカ (tokoeka) と呼ばれていた。しかし2000年ごろ、南島の Apteryx australis と北島の Apteryx mantelli とに分割された。
現在はブラウンキーウィやトコエカはという名は主に南島の Apteryx australis のことで使うが、総称として使うこともある。誤解を避けるため southern island brown kiwi, southern brown kiwi, southern tokoeka などということもある。
ある日、森の王タネ・マフタは森の中を歩いていた。彼の子である木々はとても病んでいるかのように見えた。地面で暮らす虫たちによって食べられていたからである。あまりにも深刻そうであったため、彼は兄であり、空の王であったタネホカホカにこのことについて相談をした。「このままでは森が死んでしまう」と。
これを聞いたタネホカホカは空に住む鳥たちを一堂に集め、地上に降りて虫を食べて森林を守ってくる鳥を募った。 しかし、どの鳥も口を開くことはなかった。そこで、彼はプケコ、タカヘらに順に事を頼んだ。しかし、彼らはそれぞれの理由を述べ、彼の要請に応じなかった。そこで彼はキーウィに頼んだ。するとキーウィはこの王の要請に応じた。「参ります」と。
二人の森と空の王はこれにとても喜んだ。そこで、彼らはキーウィに確認をした。元来、キーウィは美しい羽毛、翼を持っていた。だが、地上で暮らすにはその翼を失い、強靭な脚をもつ必要がある、と。それでもキーウィは「参ります」と言った。これに対しタネホカホカは次のように述べた。「君の大いなる犠牲によって、君は森の中で最も愛される鳥となるだろう」
こうして、キーウィは今のような姿となり、王の要請に応じなかった鳥たちはキーウィを見習えと、彼らの自慢だった美しい羽を取り上げた。
ニュージーランド固有の鳥であり、ニュージーランドの国を象徴する鳥(国鳥)であり、またニュージーランド人を表すシンボル、象徴である。ニュージーランド・ドルを指す事もある。
ニュージーランドでは自らの愛称(ニックネーム)をキーウィとする者もかなりの割合いる。またニュージーランド人はしばしば「自分はキーウィだ(だわよ)」と言う。またサッカー、ラグビー、野球などの国際試合ではニュージーランド代表をキーウィズと自ら名乗ったり実況、解説者にそう呼ばれたりする。ひとつには、キーウィーはとても個性的な鳥だと彼らは思っていて、同様に自分もとても個性的だ、という意味でそう言うという。
また、オスが巣作りや子育てをすることから、ニュージーランドでは家事に協力的な夫を「キーウィ・ハズバンド (kiwi husband)」 と呼ぶ。
TAITOから1988年に発表されたビデオゲームニュージーランドストーリーは主人公がキーウィのティキとなっている。
ニュージーランドの国籍マーク
キーウィ(Kiwi)は、ニュージーランドに生息する飛べない鳥類である。キーウィー、キウィ、キウイとも表記する。
分類学上はキーウィ属で、1属でキーウィ科を作る単型。キーウィ科は伝統的に1科でキーウィ目を作ってきたが、ダチョウ目やモア目に含める説もある。
果物「キウイフルーツ」は、ニュージーランドからアメリカ合衆国へ輸出されるようになった際、ニュージーランドのシンボルであるキーウィに因んで1959年に命名された。(詳細は当該記事を参照のこと)