アオガン(Branta ruficollis)は、カモ目カモ科コクガン属に分類される鳥類。
アゼルバイジャン、イラン北部、ウクライナ、ウズベキスタン、カザフスタン、ギリシャ北東部、トルコ、ブルガリア、ルーマニア東部、ロシア[a 2]
夏季にシベリア北東部で繁殖し、冬季になるとアラル海やカスピ海、黒海西部の沿岸域に南下し越冬する[1][2]。
全長55センチメートル[1]。翼長オス34.2-39センチメートル、メス34.2-36センチメートル[2]。翼開張125センチメートル[1]。体重1.4キログラム[1]。上面や腹部の羽衣は黒い[1][2]。眼先から喉、前頸、胸部にかけての羽衣は暗赤褐色[1][2]。種小名ruficollisは「赤い首の」の意。眼先に白い楕円形の斑紋、頬から頸部にかけて白い縦縞が入る[1]。尾羽基部を被う羽毛(上尾筒、下尾筒)の色彩は白く、尾羽の色彩は黒い[1]。
繁殖形態は卵生。複数のペアによる小規模な集団繁殖地(コロニー)を形成し、キツネから巣を守るためハヤブサと共生することもある[1]。ツンドラの地表に巣を作り、5-6月に3-9個の卵を産む[1][2]。メスのみが抱卵し[1]、抱卵期間は23-25日[2]。メスが抱卵中は、オスが巣の周囲を防衛する[1]。
越冬地では麦を食害する害鳥とみなされることもある[1]。
開発による生息地の破壊、乱獲、農薬によるハヤブサの減少などにより生息数は減少している[1]。1975年における生息数は15,000羽と推定されている[1]。