バケアオザメ (化青鮫) Isurus paucus (英:Longfin mako shark; Longfin mako; Longfinned mako shark)は、ネズミザメ目ネズミザメ科に属するサメ。バケアオとも。アオザメ属(Isurus)に属する現存種は他にアオザメ(I. oxyrinchus)のみである。世界中の暖海域の外洋に広く分布している。全長4.2 m。アオザメとよく似ているが、バケアオザメの方が胸鰭が大きい。捕獲されることは稀で、詳しい生態に関してはほとんど知られていない。種小名 paucus はラテン語で「わずかな」といった意味で、バケアオザメの出現率が低いことに由来している。
世界中の熱帯から温帯海域にかけて広く分布している。ただしアオザメとよく混同されるため、詳細な分布域に関しては明らかでない。外洋の表層よりもやや深い水深帯(110-220 m)に生息 している[1]。
最大で全長417 cmに達する。成熟サイズは雄で全長205-228 cm、雌で全長約245 cm[2]。平均的には全長2.2 m、体重70 kg 程度である[1]。体は紡錘型で、吻端は尖る。目は同じ体長のアオザメと比べてやや大きい。第二背鰭と臀鰭は小さい。尾柄隆起線はよく発達する。尾鰭はほぼ上下対称な三日月型。同属のアオザメに非常に近縁であり両者の形態は酷似しているが、アオザメでは胸鰭長は頭長(吻端から第五鰓裂までの距離)よりも短いのに対し、バケアオザメでは胸鰭長が頭長と等しいかそれより長い。また胸鰭の先端は尖らず、丸みを帯びている。この胸鰭の形状から、バケアオザメはアオザメに比べて活発でなく遊泳速度も遅いと考えられている。アオザメとよく似ており、1966年までは同種だと思われていた。
背側の体色は黒色に近い青色で、腹側に行くにつれて白色になる。アオザメでは口の周囲は腹側と同じ白色であるが、バケアオザメでは同じ部位が背側の体色に近い暗青色をしているという違いがあり、この点は成魚で顕著である。
両顎歯はほぼ同形。歯の形状は細い三角形で縁は滑らかであり、副咬頭を持たない。前歯は他の歯に比べて特に強大である。これらの形状は獲物の肉を切り裂くのに適している。食性に関してはあまり分かっていないが、外洋性の硬骨魚類や頭足類などを捕食すると考えられている。
他のネズミザメ科やオナガザメ科のサメにも見られる、毛細血管の熱交換システムである奇網を持つ。これにより体温を周囲の海水よりも高く保つことができる。
胎生。他のネズミザメ科のサメと同様に卵食型で、子宮内の胎仔は卵巣から排卵される栄養分を豊富に含んだ卵を食べて成長する。雌は2つある子宮にそれぞれ1尾の胎仔を有する。胎仔は産まれる頃には、97-120 cmの大きさにまで成長する[2]。
バケアオザメによる人身事故は報告されていない。外洋を主な生息域としており、かつ稀な種であることから、人との接触自体がほとんど起こらないためであると考えられる。しかしバケアオザメのサイズと歯の形状から判断すれば、全く危険でないとは言えないだろう。
バケアオザメは主に、マグロ類やカジキ類などを対象にした延縄で混獲される。鰭はふかひれとして利用価値が高く、フィニング(サメの鰭だけを切り取り、体を海中に投棄する行為。鰭を切り取られたサメは遊泳できなくなる結果、溺死あるいは捕食死する)が行われていることが資源保護や動物愛護の観点から問題になっている。肉も食用になるが 、アオザメのものよりも質が劣るとされる[3]。
バケアオザメ (化青鮫) Isurus paucus (英:Longfin mako shark; Longfin mako; Longfinned mako shark)は、ネズミザメ目ネズミザメ科に属するサメ。バケアオとも。アオザメ属(Isurus)に属する現存種は他にアオザメ(I. oxyrinchus)のみである。世界中の暖海域の外洋に広く分布している。全長4.2 m。アオザメとよく似ているが、バケアオザメの方が胸鰭が大きい。捕獲されることは稀で、詳しい生態に関してはほとんど知られていない。種小名 paucus はラテン語で「わずかな」といった意味で、バケアオザメの出現率が低いことに由来している。